学芸員だよりvol1.開館準備に大忙し

甑ミュージアム学芸員の山下です。
学芸員だより1回目は、甑ミュージアムの近況についてお伝えします。
甑ミュージアムでは、令和7年4月のリニューアルオープンに向けて開館準備を進めているところです。
建物の改修工事は業者さんたちが頑張ってくださっていますが、建物の中身の展示の部分は私たち学芸員2人の手作り。
展示標本の発掘からクリーニング(剖出作業)、文献調査、パネルの原稿づくり、デザイン、印刷、切り出し、設営までを行っています。
このように、展示作りを専門の展示業者に委託せず、全て学芸員が行うことで、展示の細かな調整や更新がしやすく、最新の研究成果を展示へ反映させやすいというメリットがあります。

ですが、リニューアルオープンとなると展示の範囲が広いので、人手が足りません。
そこで令和6度は開館準備のお手伝いをイベントや教育ツアーのコンテンツとして提供し、多くの方に手伝っていただいています。
博物館の開館準備に携われる機会は貴重なので、今しかできない体験として好評です。
こちらも展示作りが進むので良いこと尽くしです
それに加えて、小学生が放課後に展示作りのお手伝いにも来てくれていますし、地元の方が展示用にと、網にかかったクジラの骨や島で採れた貝類コレクションを提供してくださることもあります。
まさに「みんなで作る博物館」です。
博物館がただの観光施設ではなく、みなさんとの関わりの中で成長し、学びや交流の機会が生まれるような場になったらいいなと思います。

更新日:2025年04月01日