薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#17 酒庵朋)

更新日:2023年12月15日

薩摩川内市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指しており、持続可能な社会の実現のために、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉として、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に薩摩川内市の未来をつくる各種取組を実施しています。

各種取組の1つとして、市内でSDGsに関連する取組を行っている市民の方をインタビューした「SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。今回は、酒庵朋をインタビューしました。

酒庵朋

酒庵朋は、地元の旬の食材を活かした料理と選び抜かれたお酒が楽しめる和食店です。

お店では、鹿児島近海で採れた新鮮な魚や深海魚を使用した料理も提供されています。

市場には出回らない未利用とされる深海魚をメニューとして取り入れたきっかけなどについて、オーナーの安藤朋光さんにインタビューしました。

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14 海の豊かさを守ろう

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酒庵朋 安藤 朋光さん

厳選された日本のお酒と和食を楽しめる人気店「酒庵朋」。今年の夏、川内駅付近の飲食店が軒を連ねるビルに移転オープンしました。「これを機に、魚に力を入れていきたい。鹿児島の美味しい深海魚をもっと知っていただけるよう、定番メニューとして使っていきます」と語るのは、オーナーの安藤朋光さん。和食を究める職人が、深海魚に興味をもったきっかけとは。

酒庵朋オーナーの安藤朋光さん

「3年ほど前に、鹿児島大学水産学部の大富潤先生、市場の卸会社である田中水産、飲食店15店舗が集まり、『うんまか深海魚研究会』を立ち上げました。それまで漁師さんが獲っても、市場には出回らない魚、いわゆる未利用魚・深海魚を、『使わないのはもったいない。ちゃんと使っていこう。それが漁師さんを助けることにもつながる』との思いで、集まったのです」。

深海魚とは、水深200メートル前後に生息するものを指します。今回は深海魚とよく一緒に獲れるエビの仲間をご紹介。ナミクダヒゲエビは、トントコ漁と呼ばれる伝統的な底引き網漁で獲れるエビ。小さなヒメアマエビは錦江湾でしか獲れない幻のエビ。プリプリで甘い身が特長のタカエビは近年、知名度も上がりました!酒庵朋では、ヒメアマエビを定番メニューとして、天ぷら、素揚げ、殻ごとすり身にしたさつま揚げを提供しています。どれも香ばしく、エビ好きにはたまらない絶品です。

ナミクダヒゲエビとヒメアマエビ
タカエビ
ヒメアマエビの天ぷら

次にご紹介する深海魚はメヒカリです。

メヒカリの天ぷら

別名アオメエソとも呼ばれるメヒカリ。柔らかい身をカリッと揚げた天ぷらを食べたことのある方も多いのではないでしょうか。「メヒカリも頭付きは珍しいですね。新鮮なものは刺身でもいけます。手開きは柔らかすぎてできない。包丁で3枚おろしにします」。最近では、お客さんのほうから、「今日の深海魚なに?」とか、「今日の刺し盛り、深海魚入ってる?」と聞かれることも増えたそう。

酒庵朋の深海魚~メヒカリ~

新鮮なメヒカリ
別名アオメエソとも呼ばれるメヒカリ

「深海魚は、上がった時には鱗が剥がれていたり、味は美味しんだけれども…見た目が悪かったり(笑)トゲがあったり、扱いが難しい魚もあるが、好奇心を掻き立てられる食材でもあります。それぞれ味を持っている。個性も強い。そんなところも深海魚の魅力です」と語る安藤さん。ちょっとグロテスクなメヒカリも、かわいく見えてくる?サクッと揚がったメヒカリを南蛮漬けにするのも、お勧めだそうです。

深海魚料理

次にご紹介する深海魚はハマダイです。

酒庵朋の深海魚~ハマダイ~

ハマダイの煮つけ

「深海魚といってもいろいろな種類があります。ハマダイ、メダイは味が淡泊で刺し盛りにも使えるし、煮魚にも良いですね。薄く切って、しゃぶしゃぶにして提供したこともあります。ハマダイは熟成もきく魚で、管理次第で一週間、刺身でも出せるような味の良さを保てますね」。

ハマダイの刺身

深海魚には赤い魚が多いのも特徴のひとつ。深海では一番見えなくなる色が赤色なのだとか。繊細な味わいの白身魚から、外観からは想像できない、ハチビキのような赤身の魚もあります。

今回ご紹介する料理は、ハマダイの刺身と煮つけ。薄く仕立てた刺身は舌に吸い付き、とろけるような食感。淡泊なハマダイの身に、甘辛の醤油味をしっとりと含ませ、上品な煮つけに仕上げました。

最後に、深海魚普及に取り組む、安藤さんの思いをお伺いします!

安藤朋光さんの思いとは

安藤さん

「先に、深海とは水深200メートルと説明しましたが、内海(内湾)でその深さがあるのは、日本では鹿児島の錦江湾だけなのです。そんな貴重な環境である錦江湾を、西の深海魚王国にしたい!という思いで、『うんまか深海魚研究会』のメンバーは頑張っています」。

酒庵朋の深海魚料理たち

料理人が集まり、勉強会も重ねたと語る安藤さん。交流することで知識も増えました。漁師さんが獲ってくれた魚を私たち飲食店が使い、お客さん、消費者に食べてもらい、余すところなく活用する。深海魚とは、すべて天然の魚です。鹿児島の海の豊かさを知ってもらえたら嬉しいですね」。

酒庵朋の深海魚料理

今までは、海に返したり、漁師さんが自家消費をして済ませていた深海魚。「そこに新たな価値を与えることができる料理人でありたい」と、目を輝かせる安藤さんです。

調理をする安藤さん

(取材:2023年10月)

本記事は薩摩川内SDGsチャレンジInstagramにも掲載しています。HPには掲載していない写真や動画も上がっていますので、ぜひご確認ください

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