薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#33-3 川内なでしこライオンズクラブ)
本市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。
また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指し、持続可能な社会の実現のために、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に本市の未来を創る各種取り組みを実施しています。
各種取り組みの1つとして、市内でSDGsに関連する取り組みを行っている市民の方をインタビューした「薩摩川内SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。
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川内なでしこライオンズクラブ
川内なでしこライオンズクラブの皆さん
2025年に創立20周年を迎える「川内なでしこライオンズクラブ」は、本市を拠点に活動する女性グループです。ライオンズクラブ国際協会は200を超える国や地域にクラブを有し、日本国内にもおよそ2,800のクラブがあります。多くのクラブがあるなか、「川内なでしこライオンズクラブ」は、鹿児島県内で唯一の女性だけの組織として精力的に活動しています。会長の中池君子(なかいけ きみこ)さん、幹事の田中康代(たなか やすよ)さん、事業委員長の枇杷眞弓(びわ まゆみ)さんに話を聞きました。
(左)事業委員長 枇杷 眞弓(びわ まゆみ)さん
(中央)会長 中池 君子(なかいけ きみこ)さん
(右)幹事 田中 康代(たなか やすよ)さん
活動を次世代につなぎたい
東京オリンピック2020に合わせて実施されたスポーツチームの薩摩川内合宿。海外チームの出迎えや見送りの一団に「川内なでしこライオンズクラブ」メンバーの姿もありました。チームの勝利を願って、新田神社の「勝守」を贈るなど、地域に住んでいる人ならではの、温かいおもてなしの心を感じる場面もありました。
田中さん「朝4時に集まって見送りをして。旗を振って応援の気持ちを伝えましたね」
中池さん「薩摩川内市のため、という思いは強いですよね。なにかできないか?というのが常にみんなの頭にあります。みんなで目線をあちこちに配りながら、アンテナを張りながら。こども食堂のことも、社会福祉協議会に話を聞きにいったり、知り合いから現状を聞いたり。今回のフリーマーケットの子ども服も、こども食堂のサポートチームに届けることにしています。他のクラブでは目の届かないところにも、女性ならでは、異業種の方が集まっているなでしこならでは、というのはあります。会員に感謝ですね」
田中さん「やっていていいな、と思う。何よりこういうメンバーに知り合えたことが価値だと思いますよね。みなさん、社会で活躍している人なので、自分自身が勉強になる。楽しいです」
今後の目標をうかがっていると、メンバー自身、「なでしこライオンズクラブ」に関わったことで、大きく変化したという話で盛り上がりました。クラブの仲間として、友人として、その変化を率直に伝えあう信頼関係が輝いて見えました。
田中さん「私たちの年代的に介護やお孫さんの世話など…女性だけにしわ寄せがいくのはあまりよくないことだと思いつつ、やっぱり女性が関わるところも多く、時間をとられる方も多い。そのような事情から、役員を決める際、難航する時もあります。私たちのクラブは50代60代中心ですが、もっと若い世代、30代40代にも参加してほしい。たとえば『こども食堂おばちゃん家』も、支援も受けずに女性だけで活動しています。なにかできないかな、といつも思っている。家庭や企業からの提供、フードロスなどにもつなげられたらと思っている」
女性に伝えたいこと
中池さん「私の会社は業界として、いわゆる男社会だったんです。ただ、それでは目が届かないところがあると感じたので、今では多くの女性が入社しています。法務や経理の部門で女性社員がずいぶん増えました。社員には『だんなさんがいても、自立しなさい』と言っています。そうやって鼓舞して、たがいに頑張ることで、それぞれの生活が豊かになると思います。経済的にも、精神的にも自立する。なでしこのメンバーを見ていると、みんな自立していますね」
その言葉を受けた田中さんが「私なんかは結婚してからずっと専業主婦で…」と控えめにされる様子を見て、すかさず中池さんが「でもね、ずいぶん変わりましたよ。入って来た時と全然ちがう」と、ほほ笑みます。実際にどんな変化があったのでしょうか。
田中さん「(なでしこライオンズクラブに)入った時には、衝撃でしたよね(笑)。まわりの人たちがあまりに立派だから、私がここにいていいのかしら?と思ったものです」
中池さん「きちんとお話するっていうのが、自立に向かっての一歩ですよね」
田中さん「中池さんたちに育てられたようなものですね」
中池さん「自分の考えを伝え、まわりを見ながらまとめていくこと。その力があれば、自立、成功!」
田中さん「みなさん介護など大変で、会長が決まらないという時があって。私もそれまでずっと、義理の母を介護していたのですが、看取りをした時でした。会長のオファーが来て、役を引き受けました。それから強くなったかな?(笑)全体のことを理解できるようになって、変わりました」
中池さん「素晴らしいですよ、こんな才能が出てきたって。女性って、そういうのがあるんですよ。ちょっとしたすきに、ポンッと自分を出せるような時がくる」
田中さん「やっぱり役を経験することは大きいですね。いろんな会に出てみて、理解を深めて。2年間、会長をして、その間いろんなこともありましたが、やってよかったです」
最後に、皆さんの思う持続可能な社会、活動とは?
枇杷さん「続けていくことで、いろんな視点で始まっていくことがある。多様な人たちが入ることで、会員がひとりでも増えて、さまざまな考え方が混ざってくるといいのかなと感じます。たとえば、普段だったら捨てられてしまうようなものを『次につなげていこう』という意識が女性は強いのではないでしょうか。大切な資源をうまく活用するという、生活者の目線を忘れずにいたいですね」
中池さん「続けていくためには何よりもやはり、人間関係を上手くやっていくこと。人間関係、信頼関係。これがないと活動が成り立ちません。会員それぞれ自由でいい、けれどバラバラというのは違う。互いを信じて、任せる。私たちなでしこライオンズクラブは、その輪をきちんと育むことができました。来年の20周年に向け、奉仕の心をもって続けていきます」
2024年10月取材
薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#33-1 川内なでしこライオンズクラブ)
更新日:2024年12月23日