薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#29 畳のたなべや)
本市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指しており、持続可能な社会の実現のために、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉として、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に本市の未来をつくる各種取組を実施しています。
各種取組の1つとして、市内でSDGsに関連する取組を行っている市民の方をインタビューした「SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。今回は、畳のたなべやをインタビューしました。
【関連ゴール】11住み続けられるまちづくりを 12つくる責任つかう責任


コラボイベント「ゆるふわ日和」

本市を拠点に活動する3つの団体、ゆるふわマルシェ×畳日和(畳のたなべや)×フォトスタジオGARDENによるイベントが、甲冑工房丸武を会場に開催されました。「子どもたちに楽しんでもらいたい」と、物販・フード・ワークショップなどたくさんのお店が集結。さらに、「しゃぼん玉師」によるパフォーマンスもあり、盛り上がりは最高潮に。夏の青空、白い雲、お城をバックにきらきらと浮かぶシャボン玉。子どもたちの笑顔がひときわ輝いていました。

休憩テントに置かれていた畳のソファ。畳を数枚重ねたちょうど良い高さに、お年寄りから小さな子どもまで腰掛けて、くつろげます。「今までもSOKO KAKAKAのイベントなどで畳を敷いて座ってもらったり。少しでもホッとしてもらえたら、うれしい」と語る、田辺屋さんご夫妻です。
畳のたなべや・田辺屋孝宏さん

向田本町にある「畳のたなべや」。創業はなんと明治元年!150年以上つづく街の老舗です。6代目としてお店を継ぐ田辺屋孝宏さん。家業を通して、川内大綱引にも深く関わるなど、街の移り変わりを見つめてきました。「先代のおかげで今がある。“畳やふすまが新しくなって嬉しい”と、お客様に喜んでもらえる仕事なので、それにこたえる仕事をしたいですね」。

和室が減るなか、「洋室にしたけど、やっぱり畳がほしい」という需要もあるそうで、板の間に敷いて使う「リビング畳」など、時代に沿った新しい動きも。
「あまり知られていないけれど、畳って再利用できるんです。新しく作った畳は10年経ったら表替え(表面のござをひっくり返す)をすれば、30年は同じものを手入れして使えます。畳として使い終えたあとも、ござは畑で草除けに使ったり、畳の縁も農家さんがわらを結んだり、剪定をする人たちが切った木を結わえるのに使ったり、捨てるところがない。まさに、畳はSDGsに合っていると思います!」
「日曜日に、地元で遊べる町にしよう」というのが孝宏さんの思い。優しいパパとしての一面も垣間見えるコメントでした。
畳の縁を活用。たなべや特製「和小物」

街を代表する老舗店に嫁いだ、田辺屋美奈さん。家業に携わるなか、気になっていたのが、新品の畳の縁(へり)。「お客様の注文ごとにロールを買うので、畳に使って余った分は捨てるだけだよね、もったいないよね、とずっと思っていました」。
手芸好きの美奈さん。自分たちの結婚式で、来場者に渡すプチギフトとして、畳の縁を使った小物を手作りしたのが始まりでした。そこから、和柄を生かした「ふくさ」や「ヘアゴム」など、美奈さんのセンス光る和小物がどんどん、生まれていきます。
「最近はオーダーメイドの注文が多いです。お子さんの習い事カバンや、ご主人のお出かけバッグなど、ご要望に応じて作ります。畳の縁は、本当に丈夫でへたらないと、お客様からも好評です」。

さらに、こんなアイデアも。「畳表の端っこなんですが、アロマディフューザーのリードに使えないかなと思って、試してみたらいい感じで。今度、ワークショップもします」。畳のことをもっと知って、好きになってもらえたらうれしい、と語る美奈さん。これからの活躍が楽しみです!
畳のたなべや 畳のある風景

田辺屋孝宏さん、妻の美奈さん、娘さん、孝宏さんのお母さま
3世代が一緒に作業をする
親子、家族、世代をつなぐ畳
畳にくつろぎ、ホッとする日本人のDNA
「畳のことをもっと知って、好きになってもらえたら」
田辺屋孝宏さん、美奈さん夫婦の活動はつづきます。
更新日:2025年02月05日