薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#38-1 アカリトキ 小田初美さん、小田淳也さん)

更新日:2025年02月04日

本市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。

また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指し、持続可能な社会の実現のために、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に本市の未来を創る各種取り組みを実施しています。

各種取り組みの1つとして、市内でSDGsに関連する取り組みを行っている市民の方をインタビューした「薩摩川内SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。

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アカリトキ

アカリトキ_小田ご夫妻

アカリトキの小田初美さん(写真左)と小田淳也さん(写真右)

ゆったりと流れる、まちのシンボル川内川。そこにかかる橋、工場からたなびく煙と白い雲。「川内」と聞いて思い描く風景のひとつではないだろうか。薩摩川内市西開聞町SOKO KAKAKA脇の「アカリトキ」も、そんな川風景のなかにある。2021年4月の活動開始以来、川のほとりに、人の心に。ぽっとあかりを灯すように、ひとつずつ歩みを進めてきたアカリトキ。オープンからこれまで、そしてこれから。「アカリトキ」を運営する小田初美さん、淳也(さん夫妻に話を聞いた。

薩摩川内に来て「こういうところで料理をしたい」

初美さんは薩摩川内市出身、淳也さんは京都府の出身だ。初美さんが進学した京都で二人は出会った。「アルバイト先の飲食店で一緒だったんです」との馴れ初めをお聞きしたことがある。20代の前半、初美さんとの結婚前に薩摩川内市を訪れた淳也さん。スーパーに並ぶ生鮮食品の新鮮さにカルチャーショックを受けた。「こういうところで料理をしたいと純粋に思いましたね。野菜も魚もお肉も、宝の山に見えました。特に首折れサバは、京都ではお金を出してもなかなか買えない鮮度のものが売られていることに衝撃を受けました」。二人のお子さんの成長に合わせタイミングを見計らいながら、初美さんの生まれ育った薩摩川内市へのUターンを決めた。

かわまちブレンド

かわまちブレンド

川内川の風景を盛り上げたい

Uターンしてしばらくは行政機関で働きながら、少しずつ生活の基盤を整えていた初美さん。淳也さんは料理人として仕事のために単身赴任で関西に残った。初美さんがまず着手したのが、父親の堂込和男さんが作っていた竹炭の活用だった。「京都で暮らしていた時、竹炭の話をすると『すごく素敵な取り組みをお父さんはされているね』という声をもらっていたんです。竹炭には需要があると感じていました」。ところが、和男さんはしばらく竹炭づくりから離れていた。「かつての竹炭小屋を片付けるところからですね。蜘蛛の巣を払い、ムカデをやっつけて、ごみを捨てて。再び父が竹炭を作れるように舞台を整えてから、お願いしました」と笑う初美さん。頼まれた和男さんも嬉しかったのだろう。「初美がまた作って、というから。10年は作ってなかったけど、よく覚えていたな」と、みごとに竹炭を焼いて期待に応えた。

竹炭マドラー

竹炭マドラー

「竹炭工房アカリトキ」としてスタートするにあたり、どうやって竹炭を手に取ってもらおうか?と初美さんは考えた。「竹炭には浄化作用があって、お水やお茶がまろやかになる、ご飯がおいしく炊ける、お風呂のお湯が柔らかくなる、脱臭効果があることなど、自分たちの普段の生活で体験していることなら伝えやすいのかな」と、気軽に試せるマドラーから提供を始めてみることにした。

 

その頃、川内川では「リバーフロントマルシェ」が不定期開催されていた。ある日、お子さんの送り迎えの車中でコミュニティFMの番組「リバーフロントラジオ」を耳にした初美さん。リバーフロントマルシェ7実行委員の田尾友輔さんが発信していた「川内川からこの町を元気にしたい」という思いに共感。マルシェに出向いて、その様子を見つめた。「京都の鴨川に慣れ親しんでいたので、どうして川内川には人が集っていないんだろう?とずっと思っていたんです」と小田さん夫妻は口を揃える。田尾さんとも意気投合し、やがて計画が進んでいた「SOKO KAKAKA」の取り組みに参画していくことになる。

川内川と小田夫妻

川内川と小田夫妻

2021年2月にSOKO KAKAKAプレオープン。4月の本格オープンから、アカリトキも週末イベントに出店した。「カモミールのハーブティに竹炭マドラーを添えて提供したのが最初でしたね」と初美さんは振り返る。夏休みには子ども向けに竹炭でパンを焼くワークショップも開催し、地域の人々と交流を進めていく。コロナ禍を契機に、関西で働いていた淳也さんも薩摩川内市での開業を考え始めていた。「実際にSOKO KAKAKAに来てみて、ここならいろんな人が気軽に立ち寄れる。川内川に足が向くシーンを作れると思いました。コーヒーを手に川を見ながら飲む、そんな景色が日常になれば」。コロナ禍で人の密集を避けながら、小田夫妻はテイクアウトのカフェを始める。ここに「喫茶アカリトキ」が誕生した。

スタート時はまさに元倉庫といった様で、ガランとしていたSOKO KAKAKA。喫茶アカリトキが入ったことでぬくもりが宿り、新たな人の動きも生まれた。「僕達がいることで『平日に出店したい』という声が出るようになりましたし、平日なら来られるというお客さんもいたんです」。次第に「平日使いできる場に」という機運が高まり、2022年秋、SOKO KAKAKAは本格リニューアルオープンを祝った。週末だけの出店やイベントの開催から、平日から週末までのポップアップ店舗へ、そして多業種の常設店舗による集合型店舗として進化してきたSOKO KAKAKA。アカリトキは常にその中核にあった。リニューアル後は厨房設備も整い、要望に応えてパンやランチも始めた。評判を聞いて市内外から、お客さんが訪れる。県内各地で開催されるイベントへの出店や出張料理のリクエストも増えるにつれて、「アカリトキ」の名はどんどん広まっていった。

アカリトキのコーヒー

アカリトキのコーヒー

2024年9月取材

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