薩摩川内チャレンジストーリー(#45甑ミュージアム)
本市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。
また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指し、持続可能な社会の実現のために、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に本市の未来を創る各種取り組みを実施しています。
各種取り組みの1つとして、市内でSDGsに関連する取り組みを行っている市民の方をインタビューした「薩摩川内SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。
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準備室担当 三宅 優佳さん
下甑島の鹿島町にある「甑ミュージアム恐竜化石等準備室」。4月のオープンに向けた準備の様子を紹介します。
「島のみなさんが“自分にできることを”と、いろんなことで協力してくださっています。現場と近いこの博物館なら、今日の発見を今日展示することもできる。島の新しい魅力が日々発見されていくんです」と語る準備室担当の三宅優佳さん。ワクワク感が伝わってきます。
三宅さんは熊本県出身、将来は学校の先生になりたいと、熊本大学で地学を学びます。
「生活の中で直接役に立つわけではないけれど、知識があることで、そこらへんに落ちている、蹴とばしていたような石を見て、『あれっ?ここって昔火山があったのかな?』と思えると、人生が豊かになる。そういうことを子どもたちに伝えたいなと思っていました。博物館だったら、それを全世代に伝えられる。」と、微笑みます。
「島の人、観光客、学生や研究で来る人たち。今後につながっていくような関係づくりが、甑島の博物館だったらできる」
自信と期待を込めて毎日コツコツ、手づくりの博物館づくりが進んでいます。
鹿島小学校のウミネコ留学制度
準備室の三宅優佳さんと話しているのは、鹿島小学校5年生のショーブ龍馬さん。“鹿島町での自然体験活動を通して、子どもたちの豊かな心を育む”ウミネコ留学制度で、神戸市から甑島へとやってきました。この日は運動会の振替休日。休みの日もミュージアムに来た理由は・・・「化石クリーニングのお手伝い」!
「ショーブくんは、作業が丁寧で筋がいいんですよ」と、三宅さんも頼りにする腕の持ち主。先輩たちに並んで、作業に加わります。
北海道で採掘されたアンモナイトの化石を、埋まっている岩から少しずつ削り出していく根気のいる作業ですが、三宅さんや先輩たちに教えてもらいながら、集中して楽しんで作業している様子でした。
島の自然からたくさんのことを学ぶ、鹿島小学校のウミネコ留学制度は今年、25年目を迎えます。
甑島のダイナミズム
「甑島の地層や地質、断崖がこのスケールで見られる場所というのは、国内でもそうそうありません。“日本の地質100選”に選ばれていますが、私の大学の先生に言わせたら、『100個あるレベルじゃない、ワールドレベルだよ』と言います。展示を見てすぐ、『さあ、外に出てみよう!』となれるし、外で『これ何かな?』と思ったら、博物館で調べてもらうこともできます。現場にとにかく近い。これは大きな強みです。」
地層は地球のストーリー。「歴史の本を1ページ1ページ開いていくように、この地層の蓄積から、環境の変化、生き物の進化をたどることができる。下甑、中甑、上甑と移動するにつれ、どんどん新しい地層になっていくのですが、たった20分から30分の車での移動が、数千万年分を渡るタイムトラベルになっているんですよ」
そんな三宅さんの思う、SDGsとは「海岸に行けば化石がいっぱい見えているし、新しい化石も出る一方で、今ある化石も無くなっていきます。化石を掘って来て、きちんと研究し価値づけをすることで、100年後、200年後も残していけます」
島の宝物を未来に拓くミュージアム。
甑ミュージアムについては、甑ミュージアムのホームページをご覧ください。
(取材:令和6年10月)

更新日:2025年03月13日