甑島 ウミネコ留学制度を紹介します
鹿島町での自然体験活動を通して、子どもたちの豊かな心を育む
- 通学する学校:薩摩川内市立鹿島小学校
- 留学期間:1年間(継続可)
- 留学形態:里親型(実親負担3万5千円、市補助3万5千円)
孫戻し型(市補助3万5千円)
親子型(市補助3万5千円)
上記金額については令和6年度~
- 問い合わせ先
薩摩川内市教育委員会 甑島教育課 鹿島駐在
09969-4-2211
留学の様子は鹿島小学校のホームページをご覧ください


4月・5月頃、鹿島にはウミネコがやってきます。漁船に乗ってウミネコに餌付けができます。鹿島断崖も絶景です。

5月、ところてんの原料となるテングサを採りに行きます。タモを持って漁師さながらです。

甑島の地層からは恐竜の化石が発見されています。化石の発掘体験やクリーニング体験ができますよ。
ウミネコ留学生の声
小学5年生(千葉県から)

2年目のウミネコ留学
四年生に進級した去年の四月、ぼくは「ウミネコ留学生」として鹿島へやって来ました。海の干潟と山、全然ちがう鹿島の風景に、少しだけ不安を感じながらも、ワクワクした気持ちで正門をぐぐったのを覚えています。
鹿島には、ウミネコの餌付け体験やテンツゲ採り、椎の木遊び、魚のさばき方教室、伝統芸能の鹿島太鼓など、ここでしかできないような行事がたくさんあります。海の豊かな恵みで、大きくたくさん育った野菜もおいしいです。
ぼくが鹿島へ来て成長したことは、家庭での学習です。学習計画やりたいことを考えて立て、自習時間を倍にして取り組むようになりました。また、自分から宿題を毎回同じにすることで、生活リズムを少しずつ整えたり、家に帰る前に宿題が終わる習慣が身についてきました。
また、鹿島小学校伝統でもある剣道スポーツ少年団に入り、心と体を鍛えることもできました。剣道では、新しい相手から学ぶことはとても楽しかったです。
そして、一番嬉しかったことは、たくさん友達ができ、成長することができたことです。そして今まで以上に勉強にも力を入れられるようになりました。今年一年間で一生懸命勉強してきた成果として五年生への進級も決まりました。卒業生として自覚と責任感も去年以上に持ち、何事もがんばり、たくさん思い出作りたいと思います。
小学5年生(福岡県から)

ウミネコ留学でしか体験できないこと
ぼくがウミネコ留学をしようと決めたのは、甑島(鹿島)のことを好きな父と母にすすめられ、鹿島のことを調べていくうちに、どんどん「鹿島で生活してみたい。」と思うようになったからです。
それで、四月からのウミネコ留学がスタートしました。
ぼくが鹿島で体験したいこと・がんばりたいことは「魚つり」と「剣道」です。地元の福岡では、ぼくは魚釣りをしたことがありませんでした。
鹿島はすぐ近くに海があり、里親さんが船でよく釣りに連れて行ってくださいます。テレビや店の魚売り場でしか見たことのないような大きな魚を自分で釣ることができ、とても興奮しました。
また、ぼくはずっとバスケットボールを習ってきました。それ以外のスポーツはあまり経験がなく、鹿島で剣道を習うことは、自分にとって良い経験になると思います。今は基本練習の毎日ですが、いつか試合に出てみたいと思っています。
留学する上で一番気になったのは、里親さんのもとで生活することです。ぼくは家ではいつも怒られてばかりだったので、里親さんには迷惑をかけたくないと思っています。留学生であるぼくに、本当の親のように接してくれる里親さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、「何のために留学しに来たのか」ということを忘れず、ここでしか体験できない多くのことを楽しみ、学びたいと思います。
里親の声

豊かな自然の中でのびのびと
新年度が始まると、希望を膨らませウミネコ留学生がやってきます。
家庭環境や生活習慣が違うので、受け入れをする里親の方も楽しみと不安の中迎え入れています。
留学生は、しばらくは戸惑いながらも、これまでできなかったことが数ヶ月後にはできるようになり、次第に学校にも慣れ、放課後校庭で遊ぶ姿、スポーツ少年団で頑張る姿を見ると、家庭だけでなく地域にも溶け込んでいく様子が伺えます。
子どもたちが、ウミネコの餌付けや天草採り、化石発掘体験等、鹿島の自然の中での体験を通して、たくましく育ち巣立っていくときは、寂しさもありますが、さらなる成長を期待し見送っています。
また、巣立った子どもたちが長期休みや成人式などで帰ってきたときは、里親冥利に尽きる思いです。
教職員の声

ウミネコ留学がもたらしてくれるもの
下甑島の鹿島地域、鹿島小学校では、漁村留学制度「ウミネコ留学」について平成8年度(旧鹿島村時代)から取り組んできており、これまで多くのウミネコたちが巣立ってきました。
少子化対策として児童数確保のためにこのような留学制度に取り組む地域、学校は全国的に多いと思います。鹿島町でも長い間続けてきた中で、地域の方々と毎年、充実・発展し続けていることに驚きと感動を覚えます。
大きな店舗や遊戯場などありません。コンビニすらありません。波が高くなりフェリーが欠航になったら、本土への移動手段は絶たれます。都会に比べたら不便の極みでしょう。しかし、その代わり、壮大な景色、自然の幸があります。
夕暮れまで子どもたち同士でたっぷり遊べる学校の校庭があります。ウミネコの餌付け体験、テングサ採り、化石発掘体験等、鹿島ならではの体験活動があります。そして、毎日、あいさつ、声かけをしてくれる地域の人々の笑顔とふれあいがあります。
「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚えている。経験したことは、理解する。」と言われています。留学生自身だけではなく、地元の子どもたち、里親さん、地域にとっても、出会いと活性化をもたらしてくれるウミネコ留学がこれからも継続・発展することを願っています。
更新日:2025年07月08日