薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#9-1 認定NPO法人じゃっど 帖佐 理子さん)

更新日:2023年08月21日

薩摩川内市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指しており、持続可能な社会の実現のために、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉として、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に薩摩川内市の未来をつくる各種取組を実施しています。

各種取組の1つとして、市内でSDGsに関連する取組を行っている市民の方をインタビューした「SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。第9弾となる今回は、認定NPO法人じゃっど 帖佐 理子さんをインタビューしました。

【関連ゴール】3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに

3 すべての人に健康と福祉を

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4 質の高い教育をみんなに

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認定NPO法人じゃっど 帖佐 理子 理事長

ラオスの子どもたち

「ラオスの子どもたちのために、何かしてあげたい」「じゃっど!」。1992年、「認定NPO法人じゃっど」(以下、じゃっど)は、そんなやり取りをきっかけに薩摩川内市を拠点として始まった。「学校でとなりの席の子がノートを忘れたら、自分のノートを一枚ちぎって渡しますよね。同じような感じで、東南アジアの途上国であるラオス人民民主共和国(以下ラオス)で学校保健に関する活動をしよう。子どもたちが健康に育ち、教育を受けられるように支援しようという目的で生まれました」と語る帖佐(ちょうさ)理子(みちこ)理事長。じゃっど30年の歩みは、まさにSDGsの精神を先取りして実行してきたもの。立ち上げの経緯やこれまでの活動、今後の目標について、帖佐理事長に話をうかがった。

じゃっど理事長 帖佐理子さん

薩摩川内市東開聞町にある「認定NPO法人じゃっど」事務局。今までの活動の記録や視察ツアーのアルバム、ラオスの旅行ガイドや工芸品である布織物の本などが並び、さながら小さなラオスライブラリーといった雰囲気だ。理事長である帖佐理子氏は医師として働きながら、ラオス滞在をきっかけに現地の事情を知り、帰国後の1992年12月、じゃっど活動を立ち上げた。2023年、活動31年目を迎える。

じゃっどの活動について教えてください

帖佐理事長「ラオスにおける学校保健支援活動をしています。その背景には、薩摩川内市や鹿児島県の人たちに途上国の実情を知ってもらって、世界全体の公正公平を考えていただきたいという思いもあります。私の夫である帖佐徹医師が、ポリオ根絶プロジェクトのJICA専門医として、1992年ラオスに派遣されました。11月から12月にかけて、私は夫を訪ねてラオスに行きました。初めての町を歩き、子どもたちの声のするほうに歩いていってみたら、学校があった。教室には壁も扉もない。水道もトイレもない。子どもたちは鉛筆やノートも持っていない。帰国後、当時私が所属していた川内青年会議所のメンバーに見てきた様子を話しながら、『何かしたいな、井戸でも掘りたい』と言ったら、『じゃっど。せんね』という言葉が返ってきた。その反応が嬉しかったですね。その頃はすべての中心は東京、といった感じがあって、私としては川内が中心でもいいでしょ?と思っていたので、川内を拠点にして活動を始めたかった。そこで、鹿児島弁で「じゃっど」と名付けて、NPOを立ち上げました」

学校にトイレや水道を引き、手洗いを推進する「小さなお医者さんプロジェクト」など、じゃっどの活動はSDGs17の目標に多数、該当しています

帖佐理事長「SDGsの前身として、MDGs:ミレニアム開発目標というのがあり、さらにその前段階として1970年代に各国で別々の目標を立てるのではなく、先進国も途上国も含めた世界共通のゴールとして、『2000年までにすべての人々に健康を!』という動きが生まれていました。この動きを背景に1978年、WHO:世界保健機関とユニセフ共催によるプライマリヘルスケア会議で採択された『アルマ・アタ宣言』が、MDGsそして現在のSDGsにつながっています。“Health for ALL.” という精神はじゃっどの活動とも共通するものです。プライマリヘルスケアとは、医師や看護師が病院でするものだけではなく、住民たちが自分たちで井戸をつくる、トイレをつくる。みんなが健康についての意識を持つことが重要だ、と変化してきたのです」

(取材:2023年6月)

次回「薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#9-2)」では、活動の詳細についてご紹介します。お楽しみに!

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