薩摩川内SDGsチャレンジストーリー(#22 情熱家)

更新日:2024年01月31日

薩摩川内市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指しており、持続可能な社会の実現のために、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉として、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に薩摩川内市の未来をつくる各種取組を実施しています。

各種取組の1つとして、市内でSDGsに関連する取組を行っている市民の方をインタビューした「SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。今回は、利用者が生き生きと働く場や地域の憩いの場を提供する、合同会社情熱家代表の本村修さん、田原千穂子さんにインタビューしました。

情熱家

合同会社情熱家は、高江町で就労支援B型事業所「ちょこっと」を運営しています。

ちょこっとでは、休耕地を活用して野菜やお米を育てています。また、2023年秋には、古民家カフェ「ちょこっと」をオープンし利用者が生き生きと働く場や地域の憩いの場となっています。

【関連ゴール】3 すべての人に健康と福祉を 8 働きがいも経済成長も 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを 15 陸の豊かさも守ろう

情熱家の関連ゴール

情熱家「ちょこっと」農福マルシェに参加

アミュプラザ鹿児島の広場で開催された農福連携マルシェ2023「秋の収穫祭」。県内各地より多くの障がい者就労施設等が参加し、生産する農作物や加工品、工芸品などを販売しています。

農福マルシェのようす

「農福連携」とは、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手を確保することも視野に入れながら、障がい者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すものです。農福マルシェでは、この農福連携の取り組みを広く周知しつつ、生産に携わっている方々が達成感を得られることも目的としています。

このマルシェに、薩摩川内市からも合同会社情熱家の就労支援B型事業所「ちょこっと」が参加しました。作業所に通う利用者さんとスタッフが丹精込めてつくった新鮮な野菜、新米、さつま芋などが並びます。人気の焼き芋やコーンはあっという間に完売御礼となっていました。

農福マルシェで販売をする情熱家のみなさん
農福マルシェの幟

情熱家代表の本村修さん、田原千穂子さんをはじめ、接客をする利用者さんも大忙し。お買い上げ頂いた品物は、作業所お手製の新聞紙を再利用したエコバッグに入れてお渡しします。ステージショーも行われるなど、活気に満ちた農福マルシェ。「私たちの作業所、畑もぜひ見に来てください」とお誘い頂きました。どんな取り組みが行われているのでしょうか。

新聞紙でつくったエコバッグ
農福マルシェの会場のようす

次は、薩摩川内市高江で活動中の皆さんの様子をご紹介します。

就労支援B型事業所「ちょこっと」

畑で作業をする利用者の方

薩摩川内市高江町。旧高江中学校を利用した複合施設「高江未来学校」の校庭に、送迎車から降りてくる人たちがいます。就労支援B型事業所「ちょこっと」の利用者さんたちです。それぞれ、自分の持ち場である畑や、作業室に向かい、仕事に取りかかります。

就労継続支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつ。一般企業などで働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて自分のペースで働く準備をしたり、就労訓練を行ったりすることができます。雇用契約を結ぶA型事業所とは異なり、B型事業所では雇用契約を結ばずに、福祉的就労の中でそれぞれの個性を生かしながら、体調にあわせて自分のペースで働くことが可能となっています。

畑作業をする利用者の方
畑作業をする利用者の方

畑では、情熱家「ちょこっと」代表の本村修さんと利用者のみなさんが、玉ねぎの苗の植え付けを行っていました。苗を育てて販売するほか、2023年秋にオープンしたカフェ「ちょこっと」で提供するランチには、畑で育てた新鮮な野菜が、ふんだんに使われています。人気のさつまいもコロッケに使う白ゆたかや、人参もたくさん収穫できました。

玉ねぎの苗の植え付けをする利用者の方
たくさんの人参を収穫

毎年、利用者の皆さんが収穫のお手伝いに行く長島のじゃがいも・さつまいも農家さんが畑の様子を見に来てくれたり、地域のご婦人たちが立ち寄ったりと、多くの人に囲まれていきいきと作業する利用者の皆さん。コツコツと作業する姿が印象に残ります。

代表の本村さん(右)
地域の方たち

別の場所ではランチの準備が同時進行中。次は、作業所のキッチンの様子等をご紹介します!

カフェ「ちょこっと」ランチの準備

代表の本村さん

高江未来学校の一角では、就労支援B型事業所「ちょこっと」の利用者さんが自分たちの昼食と、カフェ「ちょこっと」で販売している人気のさつまいもコロッケをつくっています。

代表の本村修さんが、この日収穫した人参を手に様子を見にきました。利用者の皆さんは、それぞれ自分の得意なことを生かした作業を分担して行います。

カフェで販売するコロッケをつくる利用者の方
作業は得意なことを活かして分担している

「ちょこっと」の事務所では、ランチに出すサラダの準備をする利用者さんもいれば、カフェで提供するメニュー表や、案内のチラシを手描きで一枚ずつ仕上げている利用者さんの姿もあります。いろんなことを「ちょこっと」ずつ、みんなでやるというのが、「ちょこっと」の目指すところです。

ランチのサラダを準備する利用者の方
案内のチラシを仕上げる利用者の方

代表の本村修さんはこう語ります。「自分たちでつくるから食事も無料なんだよ、って。自分たちで食べ物を作れたら、災害があっても、何があっても生きていけるよと伝えています。野菜、果物をつくれば、カフェにも出せるし、すばらしい循環をつくることができる。実行するのは、なかなか大変なこともありますが、私たちのやりがいになっています」

「ちょこっと」を支える中心人物の田原千穂子さんも「土を触る、日に当たる。外での畑仕事は精神的にもいい影響を与えてくれるんじゃないかと思います。働けるみんなの力を使って、休耕地を活用したり、高齢者の作業を助けることもできる。地域の皆さんの理解や協力をたくさん頂いて、私たちは恵まれていると思います」と、周囲への感謝を表していました。

作業の様子を説明する代表の本村さん
ちょこっとを支える中心人物の田原さん(右)

次は、カフェ「ちょこっと」の人気ランチを紹介します!

情熱家のカフェ「ちょこっと」

2023年秋、薩摩川内市高江町に古民家カフェ「ちょこっと」がオープン。障がいを持つ人の就労支援の場として、また地域に開かれ、そこに暮らす人たちとの触れ合いの場として、にぎわいを見せています。

ちょこっとを支える中心人物の田原さん(右)

この日のランチはチキン南蛮。ジューシーなチキンにクリーミーなタルタルソースがたまりません!野菜たっぷりのお味噌汁に、新米ごはんのいい香り。サラダの葉野菜は今朝、畑から採ったばかりというみずみずしさで、あっという間に完食しました!野菜づくり、調理、カフェの準備、接客、チラシづくり。利用者さんはそれぞれの得意分野でイキイキと働いています。

ランチのチキン南蛮
ランチを提供する利用者の方

「役割づくりが大切なんです。自分が必要とされる、役に立っているという思いが、生きがいにつながります。障がい者も高齢者も誰であっても、持っているものを生かして、いろんなことをちょこっとずつやっていけたらいいのかな」と話す田原千穂子さん。

ランチを食べるお客さん
人気のさつまいもコロッケ

「ちょこっと」どころか、実にさまざまな取り組みを実現してきた情熱家。おふたりの情熱の源とは?

田原さん「盲目の祖母と一緒に暮らしていたこともあって、昔からお年寄りが好きでした。5歳の時に父を亡くし、ご近所づきあいの地域の人たちが助けてくれた。自分もなにか、子どももお年寄りも、いろんな人が助け合って生きていける場所をつくりたい、という思いがあったんでしょうね。それが今の原動力になっています」

本村さん「やりたいことをやっているだけ(笑)見に来てもらって、ここで一緒に働いてみるのもいいし、同じことを他の場所でやるのもいい。助け合いの輪が広がっていけば良い社会になると信じて、これからも活動していきます」

お客さんでにぎわう「ちょこっと」

(取材:2023年10月)

本記事は薩摩川内SDGsチャレンジInstagramにも掲載しています。HPには掲載していない写真や動画も上がっていますので、ぜひご確認ください

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