薩摩川内チャレンジストーリー(#36 センノオト)
本市では、令和3年6月8日に、市長が「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を実施し、2030年SDGsの達成と2050年カーボンニュートラルの達成に向けて取り組んでいます。
また、令和4年5月20日には、国(内閣府)のSDGs未来都市に選定され、今後さらにSDGs及びカーボンニュートラルの達成に向けて、「薩摩川内SDGsチャレンジ」を合言葉に市民総ぐるみで取り組むことを目指し、持続可能な社会の実現のために、一人ひとりができることからSDGsの達成に貢献し、市民のみなさんと一緒に本市の未来を創る各種取り組みを実施しています。
各種取り組みの1つとして、市内でSDGsに関連する取り組みを行っている市民の方をインタビューした「薩摩川内SDGsチャレンジストーリー」を動画及びWebコラムにて公表しています。
【関連ゴール】3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに 11 住み続けられるまちづくりを 13 気候変動に具体的な対策を 15 陸の豊かさも守ろう
BABYおはなし会
薩摩川内市若松町。市役所向かい、川内文化ホール跡地に誕生した「センノオト 九州電力薩摩川内複合施設」。“親子3世代が集い、楽しみ、くつろぎ学べる”をコンセプトにした開放感あふれる場は、令和6年4月29日のオープン以来、市内外より多くの人が訪れる、新たなまちのシンボルとして親しまれています。

毎週水曜午前にセンノオト別館で開催されている、「BABYおはなし会」の様子を拝見。0歳から3歳までのお子さまと保護者が参加され、スタッフのみなさんと一緒に、歌を歌ったり、絵本の読み聞かせを楽しんでいました。話をお聞きした保護者のみなさんからは、「天気のいい日も、雨が降っても、子どもと一緒に遊べる場所ができて嬉しい」、「おはなし会は、申し込みなしで参加できるので助かります」との声が聞かれ、「もうすぐ子どもが幼稚園に入ります。今日は子どもと一緒の時間をゆっくり過ごそうと、こちらに来ました」と、コーヒーとケーキを楽しむ親子の姿もありました。

絵本やブロックをはじめ、市内の事業者から提供された、パイプや木材などを使って、子どもたちが自由に工作できるキッズ工作コーナー「つくっどらーんど」も好評です。子どもたちへの優しい配慮がつまった、センノオト別館。これからも健やかな笑顔のあふれる場として、多くの人が訪れることでしょう。
薩摩川内 センノオト 広報 江夏 結菜さん

「センノオト」を運営するのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社です。同社ソーシャルデザイン本部運営部センノオトの広報、江夏 結菜さんに話を聞きました。
「早い人は開業の一年前から、私自身は半年前から薩摩川内市に入り、地域のみなさんとコミュニケーションを取りながら準備をしてきました。センノオトができたことで、『週末はここで過ごすことが習慣になった』という声をいただいたり、『川内にこんな場所ができたんだよ』と、市外からのご友人と訪れている様子など目にすると、センノオトがまちの誇りとなっているようで、とてもうれしいです」
そんな江夏さんの思う、住みつづけられるまちづくり、とは。
「多様なつながりを持てる地域であること、そしてまちに対してアクションを起こす、そんな人がたくさんいる、”地域力“があることではないでしょうか」と、真剣な表情で語ります。自身もコロナ禍に孤独な学生生活を過ごすなか、アルバイト先でのつながりがあったからこそ、苦境を乗り越えられ、多様なつながりの大切さを身をもって経験したといいます。

センノオトを舞台に、地域を盛り上げたいとの市民活動も活発に行われています。「開業半年で150以上の団体の活動登録があり、400件以上のイベントが開催されました。まちの人たちが自発的なアクションを起こせる場所として機能していくことも、センノオトの目的のひとつ。今後もっと増えていくことを期待しています」
センノオトを通して、つながり、ひろがる。そんな雰囲気を醸成して、これから一歩踏み出そうとする人たちを後押ししていきたいと、ほほ笑む江夏さんです。
九州電力のみなさん

建物を管理する九州電力管財センター南部エリアグループ長の前田健介さん、同グループの西川紗吏さんは、「センノオトを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ、薩摩川内市とは定期的にコミュニケーションを取っています。利用者の声も好評で、薩摩川内のみなさんのお役に立てているのかな、との印象を感じます」と、うれしそう。

「九州電力にとっても、センノオトには多くの“初”があります」と語るのは、川内原子力総合事務所技術部土木建築グループ副長の河上弘海さん、同グループの松永悠希さん。「初の複合施設であること、そしてZEB(ネットゼロエネルギービルディング)認証を取得したのも、弊社の持つ建物で初めてのことです」 さらに、ZEB認証取得の木造建築物として国内最大規模だそう。「木造のほうが環境負荷が少ない。建築条件の緩和もあり、木造にチャレンジしました」

「天井の白いルーバーは川内川あらしを、ガラス壁面の格子状の木細工は川内大綱引の綱練りをモチーフにしたものです」と、地域性を盛り込んだデザインについて説明する松永さん。その様子を見つめながら、「松永さんのような若者、利用している学生さんが、この町で育っていくことが大事ですね(笑)センノオトを利用するうちに、少しずつSDGsを意識していただけたら」と、ほほ笑む九州電力のみなさん。まちに関わる多くの人々の思い、チャレンジ、メッセージが込められたセンノオト。多彩な音を奏で、響きあう場として、豊かに育くんでいきたいものです。
(取材:令和6年11月)
更新日:2025年02月03日