感染症患者等の人権問題
感染症に対する知識や理解の不足から、社会生活の様々な場面で、差別やプライバシー侵害などの人権問題が発生しています。
HIV感染症は、その感染経路が特定されている上、感染力もそれほど強いものではないことから、正しい知識に基づいて通常の日常生活を送る限り、いたずらに感染を恐れる必要はなく、また、新しい治療薬の開発等によって発症及び死亡のリスクを低下させることが可能になっていることから、正しい知識の普及や理解の促進を図ることが求められています。
ハンセン病は、感染力は極めて弱く、また、発病した場合でも、現在では治療方法が確立しており、遺伝病でないことも判明しています。しかし、従来、我が国においては、ハンセン病は特殊な病気として扱われ、施設入所を強制する隔離政策がとられてきました。その後、ハンセン病に対する認識の誤りが明白となり、強制隔離政策は終結しましたが、療養所入所者の多くは、これまでの長期間にわたる隔離などにより、家族や親族などとの関係を絶たれ、病気が完治した後も療養所に残らざるを得ないなど、社会復帰が困難な状況にあります。
新型コロナウイルス感染症は、令和2年(2020年)に世界的に感染が拡大し、多くの人命が脅かされるだけでなく、感染者やその家族、医療関係者等に対する差別や偏見、いじめ、SNSによる誹謗中傷が起きました。
このような状況を踏まえ、感染症に対する正しい知識の普及啓発を図ることが必要です。
更新日:2025年09月10日