広報薩摩川内7月通常版 人のとなりに~障害のある方への就労支援とSDGsへの取り組みを行う方の思いに寄り添います~

更新日:2024年07月10日

人のとなりにとは、文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

成松由香里さん

 今年の4月から、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が改正され、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。

 「誰一人取り残さない」というSDGsの理念のもと、障害のある方への就労支援として、SDGsの取り組みを行う方の思いに寄り添います。

地域での就労支援

 現在、就労継続支援B型事業所「みんね」の管理者を務める成松さん。西向田町のアーケード街に、全面ガラス張りでポップな雰囲気の店舗を構える「ジェリーズポップコーン」を運営しています。

 創業前は病院で作業療法士として勤務していたという成松さん。「作業療法士として育ててくれた恩師が、重い病を患い、私に『これまでやってきた事を地域で展開したいが、自分にはもう体力が残っていない』と話されました。そこで、恩返しがしたいと思い、作業療法を生かすことができる『地域での就労支援』を決意しました」と、創業のきっかけを話してくれました。

 そんな成松さんは市の創業スクールに通って、経営の基礎を学び、創業に至ったそうです。

個性を尊重

「みんね」では時間をかけて丁寧に作業ができる環境を整えているそうです。

決して急かさず、個々の障害の特性やスキルを見極めた適切な支援を行い、見守っているといいます。
 事業内容をポップコーンの製造販売に決めた理由は、工程の多さ。

「毎日全員で作業分担をし、スタッフと一緒に袋詰めやシール貼りなど、それぞれが得意な分野を担当しながら作業に取り組んでいる」と言います。

「接客を通して、対面でお客さんとコミュニケーションを取るなど、主体的に動いてもらうよう働きかけています。さまざまな経験をすることで、これからも『生きる力』や『可能性』を育てていきたいです」と話します。メンバーの皆さんが主体であると感じてもらえるような支援の方法を大切にしていることも教えてくれました。

場所にこだわる

「店舗をつくる際、一番こだわったのは場所。お店のみんなが自然とまちや地域住民の方に溶け込んでほしいと思い、郊外ではなくまちの中心地であるアーケード街を選んだ」と語る成松さん。「店舗名の『みんね』は、鹿児島で声掛けの際に使う言葉で、誰もが気軽に立ち寄れる空間にしたいと思い、名付けました。実際に多くの方に利用していただいています」と笑顔で話してくれました。

誰もが取り残されないように

作業している様子

                作業している様子

 「仕事をする上で『楽しい』と感じることは、働くメンバーの成長を近くで見ることができること」だと言います。「みんね」では、地元の学生ボランティアの受け入れや、地域のイベントに月1回参加するなど、メンバーがたくさんの人と触れ合える機会を積極的に設けているそうです。

 成松さんは、「イベントなどを通して、『できない』から『できる』瞬間を間近で見ることができる。その瞬間をもっと増やすことができるように、支援をしていきたい」と話してくれました。

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