広報薩摩川内500号特集~活動を通して 地域社会へのつながりと貢献をやりがいに500号~
広報薩摩川内は8月通常版で発刊500号を迎えました。
今回は、広報薩摩川内1号から、視覚障害者に向けて音訳・点訳を作成している「川内音訳サークル「花音」と「川内点訳サークル」を取材し、活動への思いや1号発刊当時の苦労をお聞きしました。
川内音訳サークル「花音」
平成14年に活動をスタートした川内音訳サークル「花音」。
広報薩摩川内の音訳を行っています。サークル名の「花音」は、「花のようにきれいな音」をイメージして名付けられました。水曜日と土曜日に、活動しており、心を込めてより分かりやすく、広報紙を音で届けています。
音訳ができるまで

事前に原稿を確認して、人名や地名などの読み方を練習します。

読む人と確認する人の2人体制でマイクを使用してSDカードに録音します。

SDカードに録音した音声をディスクに複写します。パソコンか専用の機械でのみ聞くことができます。
川内音訳サークル「花音」メンバーの声
声を通して社会貢献
サークルの活動日は、みんなで読み方などを確認したり、会話をしたりしながら情報交換ができるので活動日が楽しみです。録音するときは、どこで文章を区切るのか、どうやったらより伝わりやすいのか、聞き手に情報が伝わるように工夫しています。
音訳では声が大切です。日常生活から、のど飴を食べたり喉を保湿したりしながら喉のケアを心掛けています。また、録音の前には早口ことばや発声練習を行い、より聞き取りやすい声で発音できるように心掛けています。令和5年度まで掲載していた「つんのせんで弁講座」や「キジカケル突撃レポート!」の記事では、「(何々だ)つん」、「(何々)なんだって」など、記事内容が伝わるよう正確に、そのままの言葉で吹き込みをしています。音訳を通して微力でも誰かの力になっているとうれしいです。
代表者 勝山さんが広報薩摩川内 1号からを振り返って
約20年前はカセットテープに録音していました。テープは、途中で間違えるとテープを巻き戻して修正する必要がありました。どこまで巻き戻したらいいのか、1回1回確認しながらの作業でとても難しくて時間が掛かりました。今はSDカードに録音し、文章の句読ごとに修正できるので、作業がより簡単になりました。
聞き手の方から「いつもありがとう」と感謝の気持ちを頂いたときはとてもうれしいです。今後は、若い世代に活動を知ってもらい、途切れることなく音訳を提供できるように頑張りたいです。
川内点訳サークル
月に2回、印刷日を設けており、点字専用の印刷機を使用して広報紙の点訳を作成しています。会員同士で意見交換をしながら、より分かりやすく、正確な点字を届けています。
点訳ができるまで


点字専用の印刷機で印刷します。

川内点訳サークルメンバーの声
新たな変化も楽しみに
点訳を通して全員が自分にできる範囲で社会に貢献できることにやりがいを感じています。年齢に関係なく作業ができるので、幅広い年齢の方が活動しています。最高齢は91歳です。表現やレイアウトが変わったり、点訳のルールが変わったりすることも飽きることなく楽しく作業が続けられる理由の1つです。「キジカケル突撃レポート!」などでは正確に伝わるように原稿そのままの言葉で点訳しています。
広報薩摩川内1号からを振り返って
点字は点を組み合わせてアルファベットのように一文字ずつ作成しています。約20年前と比較して大きく変わったことは、情報量が増えたことと、原稿にフリガナをつけてもらえるようになったことです。原稿にフリガナがついたことで、固有名詞や人名などは調べることなく正確に分かり、作業時間が短縮できました。
点字が読めないと作業ができないと思われがちですが、ルールを覚えると読めなくても点訳作業をすることができます。参考にする「点訳の手引き」で学ぶことや指を使う作業が脳の活性化にもつながっています。今後は次の世代に技術を引き継ぎながらより良い点訳ができるように活動していきたいです。
更新日:2025年08月06日