市長と振り返る薩摩川内市誕生20周年
このコーナーは薩摩川内市誕生20周年を迎え、川薩地区法定合併協議会事務局長として市誕生をけん引した田中市長だからこそ話せる当時のエピソードなど、これまでを振り返りながら、記念事業の見どころなどについて連載していきます。
第1回市町村合併業務を振り返る
市町村合併に業務として携わることになったときは、どのような気持ちでしたか。
市町村合併の話を聞いた当時は、川内市役所都市計画課の課長でした。大変な仕事が始まるなと他人事で、まさか私が事務局長を任されるとは想定外でした。しかし、過去に10年間広域行政を担当していたこともあり、8町村には知り合いも多かったので、あまり抵抗はなかったですね。
当時を振り返り、印象深い出来事などを教えてください。
合併とは、自治体刷新。革命です。
県内初ということで、先例がないので先頭走者の孤独、裏を返せば新しさを作り上げていくやりがいがありました。9市町村長、9議会の全合意が必要であるため心配もありましたが、悩んでいる暇はなかったです。新市誕生の平成16年10月12日は絶対にずらすことができないので、合言葉は締め切り厳守でしたね。
同僚たちとの思い出はありますか。
合併業務は、4人でスタートし、最終的には102人の体制になりました。広いフロアに集まって仕事をしていたので、ハンドマイクを使って毎日の朝礼。休む間もない大変なプロジェクトだったけれど、振り返れば充実した楽しい毎日でしたね。
今回は、市町村合併の先頭走者として、苦労しながらも歴史に残ることを任されたやりがいを話してくれた田中市長。次回は、薩摩川内市への思いや、いよいよスタートする20周年記念事業の見どころなどに迫ります。
第2回市誕生20周年記念事業の見どころ
市誕生20周年記念事業の見どころを教えてください
全部見どころです!
何よりも楽しくしなくてはいけないと思っています。アフターコロナで交流が復活してきている今、全市民、全世代、県内外、国内外の人が本市の20周年記念事業を楽しんでほしいということが1番の意気込みです。ミュージックフェスなどの若者が楽しめるイベントもあるので、多くの人と一緒にお祝いしたいです。
20周年記念事業に若者が楽しめるイベントもあるとのことですが、日常的に若者が集まるまちにするために、どのようなことをしたいですか
若者の意見を聞きたいです。高校生の意見を聞くことができるみらいアドバイザーが本当にいい機会になっていると思います。実際に、「若者が集まって話をしたり、勉強をしたりする場所があったら良いのでは」という提言があって、まさにその通りだなと。若者をいつでも見掛ける、そんなまちにしたいです。
本市では、持続可能で魅力的なまちづくりの推進にあたって、高校生の視点から意見・助言を求めるため、薩摩川内市みらいアドバイザーを設置しています。
今回は、これからの本市のことなどを考えるにあたって、若者ともっと話したいという市長の思いを知ることができました。次回は、そんな市長の描く未来に迫ります。
第3回思い描く未来実現のために
令和4年5月にSDGs未来都市に選定されて2年が経過します。そこで今月は、さまざまなSDGsの取り組みを実践する本市において、市長がどのようなことを意識しているかなどについて、インタビューしていきます。
市長が思い描く未来の実現のためにどのようなことを意識していますか
誰一人取り残さない、持続可能を意識するということが、私が貫いている考え方です。誰一人取り残さないという考え方でいうと、イベントは大きい小さい、近い遠いは関係なく行くようにしています。そうすることで市民の皆さんと会場で直接対話することができます。時間は掛かるけれど、この手間暇を惜しむことはできませんね。
持続可能という視点では、イベントなども後世に伝承しなければいけないと思っています。川内大綱引がいい例です。子供大綱引を通して、子どもたちに伝えることができますから。
市民に意識してほしいことや取り組んでほしいことなどはありますか
まずは、環境配慮や資源循環。これからますます必要になってきます。「あったらしか(もったいない)」という意識を持っていただけるとうれしいですね。
あとは、人口減少が進んでいる中で、みんなで寄り添い、助け合ってほしいです。
人口が減少するほどコミュニケーションを取って、互助という仕組みがさらに大事になってくると思います。お互いがお互いを取り残さないようにしてほしいですし、今こそコミュニティ力を取り戻す時期にあると思います。
今回は、SDGsの観点から市長の考えを聞き、これからの未来を考えて、一人一人が意識して行動しなくてはならないと感じました。次回は、防災についての市長の考えに迫ります。
第4回防災対応
いつ起こるか分からない災害。これからの季節は梅雨や台風などをきっかけに災害が起こり得ることも考えられます。
そこで今月は、防災についての市長の考えをインタビューしていきます。
市長の防災に対する意識や心掛けていることを教えてください
24時間365日、常に防災の意識を持っています。携帯電話は、夜中でも通知が来たらすぐに確認ができるように、肌身離さず持っています。
大雨や台風が接近するときなどは、災害が起こる前に率先して市役所に登庁し、即対応できるようにしています。市民の皆さんへ情報を少しでも早く届けることができるように情報収集などを行うことができますし、防災無線を使って私の声で伝えることもできますから。令和3年8月から市公式LINEを導入したことで、瞬時に情報を提供できるようになりました。
防災に関して、市民へメッセージをお願いします
まずは「自助」、自分の身は自分で守るという意識、次は「共助」、助け合う、支え合う、声を掛け合うという意識が大切です。
あとは、最近は地震や線状降水帯などの突発的な災害が多くなっています。防災マップを更新し、全世帯配布するなどの防災における啓発の改善を行っていますので、避難場所や危険な場所などを知っていただいて、自助や共助のために役に立ててもらいたいと思います。
「誰一人取り残さない」「持続可能」という意識のもと、寄り添い、守る姿勢で、防災にも一緒に取り組んでいけたらと思っています。
今回は、防災に対しての市長の意識や、自助、共助のために私たちがどのようなことを意識しておくべきかなどが分かりました。
次回は、市長が思う本市の魅力に迫ります。
第5回薩摩川内自慢
今月は、市長が思う本市の魅力やふるさと自慢をインタビューしていきます。
市長が思う本市の魅力を教えてください
「海、山、川、湖」という多種多様な自然や食を一つの市で全部楽しみ、味わうことができるのは、本市の魅力だと思います。象徴的なものだと、やはり川内川ですね。市街地の真ん中に国道3号があり、新幹線が通って、大きな川が流れている。川内川花火大会などのイベントを川の両サイドから見ることができる場所はなかなかないと思います。
あとは、神話や歴史的な文化遺産、最新の半導体まで、時間軸の長さを語ることができるということも魅力の一つだと思います。
アピールしたいふるさと自慢はありますか
交流拠点施設が多いことですね。例えば、駅直近のSSプラザせんだいや九州電力の薩摩川内複合施設センノオト、総合運動公園などは、市外の方も来やすいですし、子育て層を中心とした親子三世代が「集い、楽しみ、くつろぎ、学べる」空間になっていると思います。新幹線も当たり前に思っているけれど、県内に3駅しか停車しないんですよね。人が来てもらえる、私たちも利用できるという分かりやすい自慢です。
アフターコロナの今からは、市誕生20周年の年を機に、より多くの人にこの環境をアピールして、市民の方はもちろん、市外の方にも本市を訪れてもらい、楽しんでもらって、楽しみの循環を作っていきたいと考えています。
今回は、市長のふるさと自慢をインタビューし、当たり前に見ているものを当たり前ではないと気付いてこそ、ふるさと自慢ができるのではないかと感じました。
次回は、「薩摩川内市」という名称決定の経緯に迫ります。
第6回名称決定 薩摩川内市
今月は、「薩摩川内市」の名称が決定したときの当時の気持ちをインタビューしました。
新市名称が決まったときの気持ちと、決まる前との気持ちの変化を教えてください
まずは、9490件と多くの応募があり、多くの市民の方々に関心を持ってもらえたことをとてもうれしく感じました。
そして、改めて「新市が誕生するのだ」という実感が一気に湧きましたね。同時に、3年間合併協議を行ってきた集大成だなと思いました。9つそれぞれの市町村民10万人以上がこれから「薩摩川内市」という名称を名乗っていくのです。いよいよ1つになるんだなと、名称が決まる前より一体感を強く感じたことを覚えています。
更新日:2024年01月04日